びらんや潰瘍が生じて強い痛みなどの症状が出る扁平苔癬という病気は、皮膚やお口の中の粘膜に現れる病気です。難病の一種ですが、現在考えられている原因や治療法についてご紹介します。
扁平苔癬とは
扁平苔癬は難治性の病変で、皮膚や粘膜が硬く厚くなる角化という現象の異常で炎症を伴います。
口腔での扁平苔癬では角化がレース状や網目状に白い粘膜として現れ、表面が赤くなる発赤の症状が周囲に出るのが特徴です。
びらんや潰瘍が生じることも多く、接触によって痛みが出たり、飲食物がしみたりします。頰の粘膜に多い傾向がありますが、舌や口唇に起こるケースもあります。
白板症や紅板症といった前がん病変でもよく似た症状が出るケースもあるため、経過の観察が必要です。
扁平苔癬の原因
正確な原因がまだよくわかっていない難病です。
- 歯科用金属などによるアレルギーや遺伝的素因
- 自己免疫疾患
- 精神的ストレス
- 代謝障害
などとの関係性が考えられます。
扁平苔癬の治療
歯科用金属によるアレルギーが疑われるケースでは、パッチテストなどで歯科用の金属アレルギー検査を行なった後、原因と判明した詰め物や被せ物をすべて除去していくことになります。
症状の改善のため、患部にはうがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を塗ります。